扉を開けて廊下に一歩足を踏み出した瞬間、トイレに電気が付き扉が開いていることに気が付いた。

嫌な予感がさらに膨らみ、悟は急いでトイレの前に向かう。

「綾乃?」
扉に近づくと、綾乃の足が見えた。

「綾乃っ!?」
トイレに倒れている綾乃を見つけた悟は駆け寄り綾乃の体を起こす。
「どうした?」
意識があるかどうかをすぐに確かめる。
体を起こし抱き寄せると、顔にかかった髪をかき上げる。
「どうした。綾乃?しっかりしろ!」
綾乃の意識は朦朧としていた。

昨日、颯爽と現場を歩いていた面影すらない。