【5月30日】

私は毎日いじめられ、憂鬱な日々を過ごすうちに、ある一つの真理に気づいてしまった。


世の中には光と闇があって、光がキラキラとまばゆく輝くほどに、闇は色濃くその姿をあらわにするのだ。


私が通う三年二組の教室で、私が底なしの闇だとしたら、清水美保子はまばゆい光だ。


私はキラキラ輝いて全てに恵まれている清水美保子が大嫌いだ。


清水美保子はキレイで優秀で、しかも金持ちの家に生まれている。


あいつは何の努力もしていないくせに、生まれつき恵まれているのだ。


そしてあいつはそれが特別なことだと思ったこともないだろう。


そんなあいつは陰キャ眼鏡と呼ばれてバカにされている私の真逆にいる存在だ。


私はそんな美保子に嫉妬する。


私はいいとこなしの杉田忍として生まれてきたのに、どうしてあいつはたくさんのことに恵まれている清水美保子として生まれることができたのだろう。