家に戻ってからあたしはスマホとにらめっこをしていた。


江藤君に連絡しようかどうしようか悩んでいるのだ。


前回と同じ様子なら今日真央ちゃんは死んだはずだ。


それを確認したい気持ちと、確認するのが怖い気持ちが交互に襲い掛かってくる。


そして時間ばかりが過ぎていっていたときだった。


「亜美! 今学校の連絡網が回ってきたけど!」


という声が1階から聞こえてきて、あたしはハッとして顔をあげた。


学校からの連絡網?


確か前回まではそんなもの回ってこなかったはずだ。


なにかが変化していることに感づき、慌てて1階へと駆け下りる。


リビングのドアを開けるとお母さんが神妙な顔つきで待っていた。


「連絡網ってなに?」


「同じクラスの江藤君っているでしょう? 妹さんが亡くなったんだって」


まさかその事実をお母さんの口から聞くとは思わなくて、あたしは目を見開いた。


「それが連絡網で回ってきたの?」


「そうよ。みなさんも葬儀に参加してくださいって」


「それって、2月7日?」


「えぇ。亜美、あなた知ってたの?」


聞かれて慌てて左右に首を振った。


2年A組の連絡網で葬儀の参加が回ってくるなんて思ってもいなかった。


あたしはスマホを取り出して江藤君に連絡を入れた。


《亜美:今連絡網が回ってきたよ》