誰かに腕を捕まれたような感覚がして、私は慌てたように振り替える。

そこには泣きそう顔をしながら私の腕を掴んでいる美華吏がいた。

せっかく決めたことなのに……。

私はダメな人間なのに。

どうして……?

私のことなんか放っておいてくれたらいいのに。

見捨てくれればいいのに。

嫌ってくれればいいのに。

しかもどうしてそんな泣きそうな顔をしているの?

私の頭の中にはネガティブな言葉と疑問ばかりが生まれる。

その間に私は美華吏に腕を引かれて屋上に引き戻される。

その力は痛くなるほど強くて、それだけ美華吏の思いは強くて深いものなんだと感じた。

けれどやっぱりせっかく決めたことなんだから踏みにじりたくない。

私は無理矢理、美華吏の手を振り払い、もう一度飛び降りようとする。

それでも彼は私の腕をもう一度掴んできた。

「おいおい、自殺しようとすんなよ。俺が守ってあげるから」

美華吏は少し怒ったような口調で言った。