「あなたが、柏木優里さん?」




朝起きてリビングに行くと、スーツをビシッと着こなしたOL風の女性が、メガネをクイッと持ち上げ言った。



「唐突に失礼。私はこういう者です」




唖然と立ち尽くす私に綺麗で細い指でスッと名刺を差し出してくれる女性。




「YUUのマネージャーをしております、佐保都(さほみやこ)と申します」



「あ、えっと…柏木優里です…」




って。もしかしてこれ、すっっごくやばい状況なんじゃない!?自分が担当してる俳優が得体の知れない女と同居してるなんて知ったら…



もしかして私ボコボコにされる!?





「YUUとはどういったご関係ですか?」



さりげなく私がとった距離をすぐさま詰めて佐保さんが聞いてくる。




「え、あの、采…YUU、さん?とは…幼なじみでして…決して怪しい者では「俺の婚約者だよ」




涼し気な声と共に、私服に着替えた采斗がやってきた。


制服姿じゃなく、楽そうなパーカーにジーンズ姿。




「知ってるくせに、都さん。俺の大事な婚約者いじめないでよ?」