ケータイ小説 野いちご

涙、滴り落ちるまで

3、影の君に太陽の光を
記憶のカケラ




「……そうか。今日は、休みだった……」

綾が天国に来てから1年が経ったある日の朝、目を覚まして着替えようと体を起こした時、昨日ソルから「明日と明後日、休んで」って言われたことを思い出す。

守り役だった陽菜が僕らと同じ時間帯に仕事をするようになったし、綾も死神として1人で仕事をするようにもなったから、休みが増えたんだった……。

「……」

休みなのは嬉しいけど……暇だな。

僕は、畳に寝転がった。開け放たれた窓から、暖かい風が入ってくる。

「……瑠依、いる?」

そう言って縁側から顔を覗かせたのは、ソルだった。僕は、体を起こすとソルを見つめる。

「ソル……」

「暇だから、遊びに来た」

そっか……今日は、ソルも休みだったっけ。

「ちょっと散歩しない?」

ソルの言葉に、僕は頷いた。



身支度を整えた後、僕はソルの隣を歩く。

「……瑠依が天国に来て、もう2年は経つんだね」

立ち止まったソルは、そう呟いて空を見上げた。ソルは、しばらく空を見つめると僕に目を移す。

「……瑠依お兄ちゃん」

どこからか声が聞こえてきて、僕は声がした方を見た。そこには、佳奈が立っている。

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