夏の残暑も無くなり。



一日を過ごすのに、薄めの長袖が丁度良い気候になった。過ごしやすい季節。



散歩をしていると、近くに見える山が紅葉で紅色に染まっている。

所々、生えている紅葉の木に咲き誇るオレンジ色の葉には癒されてしまう。



あれ以来、夢と夏海は私と仲良くしてくれている。

2人が優しいお陰で、緊張の糸もほぐれ、気を許して喋れるようになった。



授業なんかでグループを作らなきゃいけない時も、2人が私を受け入れてくれる安心感が有る。



しかし、問題な事がひとつだけ。



分かっては居たが、未知は私の事を嫌っていて、すれ違う度に悪口を言ってくるのだ。



ブス＿＿
根暗＿＿
キモイ＿＿

それらの言葉は私の気持ちを暗くさせ、ほんの少ししかない自信さえ粉々に砕こうとする。



今日も3人仲良く、学校生活を送る。



最近知った話だが、未知は1部の人間以外に凄く嫌われているらしい。

特に夏海は未知を嫌っている。



「しかし、未知って。なんで、あそこまで明日菜に執着するのかねー？」



確かに執着されている気はする。

例えば、私が1人になるとどこからとも無く現れた未知が悪口を言って、消えてゆくなんて事もしばしばあるから。

常に私の様子を、見張られているような気分になってしまう。