「愛子やばくない?」


この前と同じファミレスまで移動して、あたしはやっとそう言った。


まさか車で誘拐されるなんて思ってもいない展開だった。


愛子が無事なのかどうか気になる。


「大丈夫だと思うよ」


夢はのんきな声でそう言い、メニューを眺めている。


やってきたウエイトレスにパンケーキを注文する夢。


「靖子もなにか注文しなよ」


「あたしはいらない」


とてもなにかを食べる気にはならなかった。


水だけで十分だ。