「ギャアアアア!」


職員室のドアの近くにいた俺は入ってきた新に腕を掴まれ、大きな声で悲鳴をあげた。


しかし、みんなはちりぢりに逃げている。


行かないでくれ!


誰か助けてくれ!


そんな声が喉の奥からあふれ出す。


しかし恐怖によって声まで押さえつけられてしまった。


新の手は暖かくて、まるで生きている人間のようで驚愕した。


「だ、誰か助けてくれ!」


ようやく絞り出した声はもどかしいほど小さくて、誰にも届いていないことは明白だった。


でも、今の俺に出せる声はこれが精いっぱいだった。


「誰か……!!」


どうにか新の手を振り払おうとして、振り向いた。


その瞬間、新と視線がぶつかった。