『新垣先生、新垣先生、至急職員室にお越しください。』



「やべぇ!忘れてた。職員会議あるんだった!」




抱きしめる腕の力が弱まる。


「あ~ぁ・・・せっかく最後の音楽室だったのになぁ・・」


ため息をつきながら、音楽室の扉に手を掛ける。



音楽室を出る前に、


先生が音楽室を見渡す。


「ここ、もうお前と来れないんだな・・・ここでお前と過ごすことは・・・もう一生ないんだな。」



先生の見つめる先には、


カーテンから差し込む光。



たくさんの思い出の詰まったこの部屋は


私と先生の大事な大事な部屋。



プロポーズしてくれた場所・・・だもんね。