ケータイ小説 野いちご

新着メッセージがあります。

<2>メッセージの謎
-6月12日(土)-




「恭ちゃん!起きて!」


バン、と大きな音を立てて部屋のドアが開いた。


机に置いてあるデジタル時計には9:28と表示されている。


朝から突然ノックもなしに入ってくる奴は一人しかいない。


振り返らなくても誰かはわかるが反射的に振り向くと、緩くウェーブがかかっている髪を一つにまとめ、夏らしい白のワンピースを着た笑里が立っていた。


「起きてるよ。見ればわかるだろ」


とっくに起きて着替えを済ませているし、俺が今座っているのは椅子だ。


寝ているどころかベッドにすらいないし、なんなら机には教科書が広がっている。


「だっておばさんが、まだ寝てるだろうから叩き起こしてって」


真面目にテスト勉強をしている息子に対してまだ寝ているという濡れ衣を着せた上に『叩き起こせ』とは何事だ。


あとで一言文句を言ってやろうと思う。


「で、どうした?」


「機種変更しに行くって約束したでしょ。朝一で行くから早く準備して!」


俺の横まできて必要以上に大声を出して広げたのは、すでに母親の署名がされている機種変更の同意書だ。




< 63/ 242 >