ケータイ小説 野いちご

新着メッセージがあります。

<1>始まる連鎖
-6月7日(月)-




土日を挟んで週明けからは通常通り学校が始まる。


同日の午後にまた別の女生徒が亡くなったと聞いたのは、朝のSHRだった。


隠したところでいずれは明るみになることを予想してか、「混乱を招くため事前に報告だけ」と簡易的な説明を受けた。


いつも騒がしい教室はどこか活気がなく、チョークが黒板を滑る音だけが響いていた。


自殺があった学校で何事もなかったかのように授業を受けるというのは奇妙なもので、俺もどこか落ち着かなかった。


つい三日前の出来事だというのに、記憶に鮮明に刻まれたはずの衝撃的な光景は、まるで夢だったように感じる。


「おい、やべぇよ!」


こいつは“ヤバイ”しか言えないのか。


樹は今日も甘ったるそうな菓子パンを持っていた。


「どうしたんだよ」


よほど慌てているのか、いつものように机を移動させることなく、俺の前の席に後ろ向きの状態で座る。


笑里と凛子も樹につられたのか、そのまま椅子に座って俺の机を囲んだ。


「朝担任が言ってたやつだよ。その子も学校で死んでたらしいぞ」


樹が神妙な面持ちで、けれどどこか興奮を隠しきれないような口調で言った。


「学校で?」


トイレで女生徒が亡くなったあと、生徒は全員帰されたはずだ。



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