ケータイ小説 野いちご

新着メッセージがあります。

<1>始まる連鎖
-6月4日(金)-




後藤麻奈の死を知らされてから四日後。


後藤麻奈の自殺に関する噂は続いているが、それは衝撃から単なる好奇心に変わりつつあった。


「恭平、恭平」


朝が大の苦手でいつも昼休みまで爆睡している樹が珍しく一時間目から起きていると思えば、授業中だと言うのに後ろから俺の肩をトントンと突いた。


「おい、無視すんなよ」


小声で俺の名前を呼び続ける樹に一切反応せず、黒板に書かれている内容をノートに書き写していく。


しばらくしてやっと黙ったかと思った矢先、四つ折りにされた小さなメモが後ろから飛んできた。


小さくため息を吐いてメモを開くと、書かれていた内容は『クレープ食いに行くぞ!』という、とてつもなくどうでもいい内容だった。


テスト前で部活が休みになる度に『放課後が暇だ』と嘆いているけれど、なんのために部活が休みになっているのかをこいつはわかっていないらしい。


返事を書くわけでもなく開いたメモを右手で握り、後ろに投げ返そうとした時だった。


「いやぁぁあぁあああぁぁあぁ!!」


廊下から悲鳴が聞こえた。


淡々と教科書を読み上げながら黒板に重要なポイントを書き並べていた教師の手が止まる。




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