瑛多と遊ぶ当日。


行きたいとこ決めてと言われたけどギリギリまで悩んだ。文句言われたら嫌だしってたくさん悩んだけどちゃんと決めた。2人で楽しく遊べるところが良かったから遊園地にした。瑛多と遊園地なんでいつぶりだろう。とても楽しみ!

いつもよりも動きやすい服装がいいからジャージにパーカーのラフな格好で出発。
瑛多とは玄関先での集合だから遅刻はしないから安心だ。こういうときに隣っていいなぁって、遅刻癖のある私からしたらラッキー。

「おはよう!今日はね!!って、おーい!瑛多!聞いてる?」

固まったまんまの瑛多の顔の前で手を振る。
やっと気づいたのかパッと元に戻る。

「聞いてる、聞いてる。ってなんだっけ?」

って、聞いてないじゃーん!
と心の中でツッコむ。こんなところで言い合いなんてしたらあとあと気まずくなっちゃうからこんなところで余計なことは言わないでおこう。特に瑛多なんて気分を損ねたらめんどうだから。

「今日はね!遊園地行こ!たくさん遊ぼう!」

「いいじゃん。楽しそう!でチケット代は日葵持ちだろ?」

何言ってんだ。この人。私は補習頑張って遊ぶ約束したのにこっち持ちかよ。悪魔だ。

「って嘘だけどな。そんなわけねーじゃん。そこまで鬼じゃねーよ。ほら!行くぞ!」

とスタスタと歩き始まる瑛多に追い付こうとするけど歩幅が大きくてなかなか追い付けない。それに気づいて歩くスピードを緩めてくれた。優しい一面もあるじゃん。そんな関心をしてるとまた置いていかれそうになる。

「歩くスピード早すぎない?」

我慢出来ずな瑛多に言う。
そしたら瑛多は何も言わずにこっちに手を向けている。どういうこと?荷物かな?あんまり重くはないんだけどなぁ。

「早くして!もう置いていくよ?」

「その手は何なの?」

「はぁ。」

あきれたように言う瑛多に私は???な視線を送る。

「早く握れよ。置いていかれたくねぇんだろ!」

怒ってような口調だけど目は優しい。
私は言われるがまま瑛多の手を握る。

それから瑛多はずっと私の手を握っていた。乗り物に乗るときは離して降りたら私の手は瑛多の手に包まれていた。男らしくゴツゴツした手。なんか落ち着く。少し嬉しいって思ってしまった。

「昼何が食べたい?」

遊園地に来て2時間ぐらいたってもうお昼の時間になっていた。たくさん歩いたからもうお腹はペコペコ。

「瑛多は何がいい?私はね……あれがいい!」

近くにあったパスタの看板を指して言う。

「いいじゃん!そこにしよう!」

私の手を引いてお店に入っていく。

私はカルボナーラ、瑛多はナポリタン。それぞれを少しずつ分けながら食べた。

食べ終わってお会計のとき財布を出そうとする私をさえぎって瑛多が2人分のお会計を払う。

「あ、ありがとう。」

お店から出て瑛多にお金を返そうとすると瑛多は

「いいよ。別に。それより早く行こ!」

そう言って私の手を引いて行く。

そのあと2人で遊園地を堪能してから家の近くにある景色のいいお気に入りの場所へ来てい。そのときなぜか瑛多はソワソワしていた。
そんな瑛多が口を開いた。

「あのさ。お前さ、今週誕生日だろ?」

急に何を言うのかと思えばそんなことかい!

「そうだけど……どうしたの?それより誕生日覚えてたんだ。」

そんなことに関心してる私。それでも瑛多はいまだにソワソワしている。

「覚えてるに決まってるだろ!?誰だと思ってるんだよ!何年もいるのに忘れるはずがないだろ?そんなに俺がバカだと思ってるのか?」

こ、怖い。誕生日を覚えてたことに関心しただけなのにこの言い様。

「ごめん。言い過ぎた。これ、はい。」

そう言って瑛多はポケットの中から1つの箱を出す。何これ?

「これあげる。」

箱の中を開けるとキラリと光る指輪が入っていてそれと同時に瑛多が話出す。

「今まで誕生日プレゼントあげたことなかったからさ。たまには、と思って。」

そう言って瑛多は私の手にある箱の中から指輪を取る。

「右手出して。」

そう言われ私は瑛多の前に右手を出す。
そうすると、瑛多は私の右手の薬指に指輪をつける。

「こんなのもらってもいいの?」

こんなにいいもの。絶対値段高かったはずなのにいいのか?結構無理したんじゃないの?

「いいに決まってるだろ!?むしろ受け取ってくんねぇとこっちが困るんだけど」

恥ずかしそうに言う瑛多はすごく可愛い。

これが初めて瑛多が幼なじみじゃなくて男の子として見たときだった。