あぁーもうー!目の前にあるのは40点と書かれているテスト。いつも通り悪い。そして隣にいる瑛多はというと99点。「なにを間違った」の内心で思う。同じ環境で育ったはずなのにこんなに変わるものなのか。今までずっと同じクラスです同じ塾にも行ってるはずなのに……なぜこんなに変わるのだろうか。あれか、もともと持っている才能とかいうやつか。

「おまえ、いつも通り点数悪いな!」

勝ち誇ったかのように瑛多は言う。でも本当のことを言われた私は何も言い返せない。

「今回はたまたま勉強したところがはずれたたげだもん!」

苦しい言い訳をする私。こうでもしないと瑛多にバカにされる。

「お前それいつもじゃん!学習能力ないのか?」

本当は自分が勉強していないだけ。
今回はしなくてもいいと思ってあんまりしなかったからこのありさま。

「この俺様がお勉強教えてあげましょうか?」

でたよ。俺様発言。それでもこんなことを瑛多が言うのは珍しい。

「は?なんでよ。」

本当は教えてほしいけどこんな言い方されたから言い返してやった。

「だーかーらー!赤点の人は補習つってたから教えてやろうか?」

補習は嫌だ。瑛多に教えてもらうのも嫌だ。
でもここでずべこべしてても補習が無くなるわけじゃない。ここは教えてもらうのが1番いい。
素直じゃない私。

「いいの?基本も出来ないんだよ?」

「知ってるよ!だから教えてやるって言ってるんだよ!そんこと俺がしないで誰がするんだよ!」

は、はい?どういうこと?

「そんな面倒なことを俺以外誰がするって言うんだよ!幼なじみの俺以外頼る天才なんかいるのか?」

自分で天才って言ってるばか。ま、そんなばかに教えてもらうのも悪くないかもね。

「じゃ、じゃあお願いします。」

瑛多に教えてもらうなんて考えたことがなかったからなんか新鮮。