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半年後の春。
「ねえ、今日もきてるよ!」
「あ、うわさのバンリ先輩……?!」
「そう! ときどき彼女さん迎えに来るらしいよ?」
「彼女って確か……、3年生の香田先輩だよね?」
「そうそう。お似合いなんだよねー」
「香田先輩か〜……、美男美女だ、勝ち目ない」
「あ、でも、バンリ先輩って元プレイボーイらしいよ」
「そうなの?!
まあ、大学生なのもあるけど……、色気あるし超カッコいいからわかるかも。
もしかしたら……、わたしにもチャンスあるかな?」
「それは……、ないと思う」
「え、うそ、なんで?」
「バンリ先輩、香田先輩に惚れて変わったんだって。
いまも、べた惚れなんだとか」
「えー……、なにそれ羨ましい!」