午前七時。目が覚めて、見慣れない景色が視界に広がる。
とはいえ、すぐに順応した。ベッドから降りてカーテンを開け、射し込む光に目を細める。今日は快晴だ。

着替えて洗面所へ行き、顔を洗う。
リビングを覗いたけれど、気配はなかった。彼はまだ寝ているんだろうか。

以前なら、五時には起きて諸々の支度をしていた。学校が始まればもう少し起床時間が早くなるのかもしれない。

しばらくはテレビをつけて天気予報やニュースに耳を傾けていたけれど、一向に彼の姿が見えない。
私はひとまず、朝食の準備を始めることにした。


「今日は和食にしようかな」


味噌汁は家庭によってかなり趣向が異なるけれど、これからは作り手の私が法律だ。
具材は無難に豆腐とわかめ。温まったら、白味噌を溶かして完成。

白米は醤油、みりん、だしのもと、ごま油を加えてしっかり混ぜてから三角に握った。それを熱したフライパンで焼いていく。

キッチンに香ばしい匂いが充満して、肺いっぱいに吸い込めば自然と腹の虫が鳴った。

ほうれん草と卵を炒めていたところで、不意にドアの開く音が耳に入る。


「あ、おはようございます」