＜美香side＞



「ｺﾞﾎｯｺﾞﾎｯ、……ｹﾞﾎｯ！」

「なに、美香風邪？」

「めぐちゃ……」

「あー、風邪の顔だ」



昨日、直人くんが来てくれたあと。

直人くんの前でビービー泣き喚いた結果、とてもじゃないけど生徒会室には戻れない顔になっていた。

「もう帰ろう」って言う直人くんと一緒に、立ち上がった夕暮れの教室で……

私を襲ったのは、人生が終わるんじゃないかってくらいの寒気。


生徒会をサボったことに罰が当たったんだって、寒気と戦いながらバンバンに腫れた目で帰ったあと、フラフラと体温を測ってみたらまさかの３８度を超えていた。

ベッドの中で弱りきった思考のまま泣き続けて、朝になったら更にひどい顔が出来上がって今に至るというわけだ。



「ねぇ、熱あるんじゃないの。顔ひどいよ、早退したら？」

「ダメ……今日は生徒会室に１番乗りしなきゃなの」