…もう声も聞こえないし、追いかけて来てる様子もない。

それなのに、二人は止まる事無く走っていた。



「ねぇ!もう大丈夫だと思うよ!」



そろそろ降ろして!歩きたい!



「…いや、まだだ」



湊の視線が後ろの方に向いた。
同じく見て見るが、誰もいない。


…もしや、二人にしか見えない何かがいるのか!?


未確認生命体UAMとか!?
それか幽霊!?地縛霊!?



「お嬢が考えてるのとは多分違うからね?」

「え!?違うの!?」

「…何考えてたんだよ」



だって、わかんないんだもん!
それなら教えてよね‼



「言ったでしょ、筋者だって」

「え!…やりすぎ注意ね!」



可哀想。
和と湊いるのに。

態々やられに来るなんて。
救急車でも呼んでおいたほういいかな?



いつもは私一人だけだから軽々、素早く誘拐出来るだろうけど。


───今日は無理だよ?