「見てみて!リュウカッコイイよね〜」

 「うん!でもこの人、めちゃくちゃキレイじゃない?」

 「ねっ!可愛くてキレイだよね!」

 なんて学校では話題が増えていて、わたしはいつも複雑な気持ちだった。

 学校では陰キャラで、地味でオタク女子。誰にも相手にされないわたしなのだ。

 まさかこのモデルがわたしだなんて、だれが思うだろうか?……いや、誰も思うわけない。だってわたしはモデルの仕事をする時だけあの格好をするから。

 それにリュウの恋人が誰なのかは正体も明かしていないし、名前だってリュウや細田さんの意向で明かさずに雑誌に載ったのだから。

 そもそも、なぜ名前を明かさないのか。もちろんわたしがまだ無名の新人だからというのもある。だけどそれだけじゃない。

 本名で活動するわけにはいかないのだ。だからこそ、名前を決めないといけないのだけど。……何も案が浮かばない。それどころか、本名で活動なんてしたら大変なことになってしまう。学校中にバレてしまう。