「…生き、てる…?」


なぜ僕は生きているんだろうか。

絶対に死んだはず。

そう考えながら自分の思い体を無理やり起こす。

傷もなければ出血もしていない。

しかしただ、死んだ時の感触ははっきりと覚えている。

ぐしゃり、歪な音がして、そのまま意識が消えていった。

その感覚は全て覚えている。

けど、現に自分は生きている。

暫く考えた結果、取り敢えず歩いてみることにした。

街、の様だが人が見当たらない。

まぁどちらかというと、人通りの少ない路地裏にいるから当たり前なのかもしれないが。

取り敢えず一通り歩いてみよう。

そう決めて、自分は路地裏に から出てみた。

薄暗い路地、そこから出たらありえない程綺麗な湖があった。

普通、人通りの多い道路とかに出るのではないか。

なんて、今この状況でこの疑問は必要ない。

そう判断して、僕はもう一度歩き出してみる。

…やっぱり誰もいない。

それにしても、綺麗な湖だ。

人工でこうしたのだろうか。

とても透き通っている。

そればかりではなく、周りの花達も綺麗に咲いている。

ただそれだけ、のはずなのに、どこか恐怖を感じてしまう自分がいる。

しかしそれは一瞬のうちに消え去った。