十二月、台風によって延期された修学旅行に行くことになった。

観光地を回った後は、みんなが楽しみにしている自由行動の時間である。私は仲のいい友達数人と一緒に買い物をしたりして楽しんでいた。

ある橋を歩いていた時、オカルト好きな友達がこう言った。

「この橋って出るらしいよ。地元じゃ有名な心霊スポットなんだって!」

せっかくだし写真撮ろうよ、何か写ってるかも、とふざけ半分に友達は通行人にスマホを渡して写真を撮ってもらう。

「何も写ってないじゃん」

「何かのミスで私たちの服が半袖になっちゃってるけど、幽霊なんて写ってないよ」

心霊写真が撮れなかったことに内心ホッとしつつ、私たちは再び歩き出した。