裕也の為に必死に絞り出した声。

けどあれ以来、私の声は出ていない。

どうしてかは分かってる。

裕也に会えたのは、あれが最後だったから……


(私の声を聞いてくれる人は、もういない…)


そう思うと、私は病院に行く事すら億劫になり、
先生の説得にも耳を貸さず受診を拒否していた。


あの時の感情はなんだったんだろう……
心を読まれて不思議に思ったのか、
声に惹かれていたのか、
それは、好きって事だったのか……

どちらにしても、もう会えない。

私はあの人を忘れる為、受験勉強に励んだ。