「行ってきまーす!」

「行ってらっしゃい!気をつけてね!」

いつもと変わらない朝だけど、私とれいは最初だけ、何となく気を使い様子を伺いながら、いつものように3人で登校していた。

「昨日はごめん!何か大騒ぎになっちゃって…」

最初に口を開いたのは蓮だった。

「…本当だょ!いっぱい探してみんな心配してたんだから…でも、七海のお陰で無事見つかって
本当良かった」

私はこの時、声が出なくて良かったって……
そんな風に思っていた。
だって、なんて声をかけていいのか…
分からなかったから。

「本当悪かったよ。……七海も、ごめんな…」

何か意味のこもったそのごめんは、どっちのごめんなんだろう。
私はただ下を向いて、首を横に振る事しか出来なかった。