最終話




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少しだけ緊張で震える手を押さえ込んで、
フゥ~っと息をつく。


“コンコン”


扉をノックしてから数秒後、“どうぞ”という声が中から上がったので扉を開けた。


「失礼します・・。」


個室の入院病棟。

その人は・・
至る所がビブスで固定されていて、

目の部分は包帯でグルグル巻きにされて、
仰向けに横になっていた。



「・・・・・?」


「・・・小松です・・・・。」


「小松さん・・来てくれたんですか?」


「あの・・ごめんなさい。

眼も怪我されてるとは知らずに・・
ゼリー持ってきちゃいました・・。」


「ありがとうございます。

こっちの包帯はあと2~3日もすれば取れるので、後日頂きます。」


「お怪我・・・大丈夫・・
・・じゃないですよね・・。」


「派手にやられてしまいました。
でもあなたが無事だったのが一番です。」


「・・・・・・・・・・・・。」


「県警がまるい探偵事務所に“口止め料”を払ったと聞きました。

申し訳ございませんが・・・。」


「あ、はい・・!おとりに使われた事も、
あの夜見た事も誰にも言いません・・!!」


「ご協力ありがとうございます。」