「来週、いよいよ演奏会なので、今日から特別時間割でーす。一日中練習できるのでたくさん練習してねー」



いよいよ、コンサートのための特別時間割が始まった。



「たくさん練習するぞ〜!」



「ねえ、有季。無理はしないでね?」



せいちゃんが本当に心配そうな顔でわたしにそう言う。



「そ、そんな。無理なんて……!」



「しない、よね??」



せいちゃんがわたしに念を押すように言ってきた。



「でも、無理してもせいちゃんが助けてくれるでしょ?」



「助けるけど。それとこれとは別なの。わかって?」



「はい……。ごめんなさい……」



口調は少し強めだけど、わたしのことを思って言ってくれているのが分かるから、反論は出来ない。



「はぁ……。そんなにたくさん練習したいなら俺と一緒にしよっか」



「え?」



「え?って、じゃなきゃ俺が知らない間に無理するでしょ?」



「わかった……。せいちゃんと一緒に練習します……」



「うん。ありがと」



わたしの事なのにありがとうとか言ってくるせいちゃんに、さらに感動してしまった。