異性を好きになる最初の条件。
女の場合、顔を見て、声を聞いて、自分のフェチの部分見て。
男の場合、顔見て、胸見て、足を見る。
まぁ…人によって色々違ったりするだろうけど大体こんなもんでしょ。
だけど、私は選ばない。
「相楽、呼んでる」
『あー…うん』
クラスメイトに名を呼ばれ、ソイツの指す方を見ると後輩が緊張しているのか顔を赤らめ俯きながらこちらをチラチラと見ている。
私は席を離れて彼に近づくと彼はこう言った。
「相楽先輩、付き合ってください」
『いいよ。じゃあ今日の放課後一緒に帰ろ』
もう一度言う。
私は選ばない…来る者拒まずだから。
そしてクラスの目の前で告白されたわけだけど、クラスの誰1人として驚きはしない。
この光景には慣れているからだろう。
驚くではなく、呆れる…といったところだと思う。
ほら…耳を傾ければ四方八方から聞こえる。
彼らの呆れた声が。
「これで何度目?」
「本当、毎度毎度」
「遊び人だから仕方ねーだろ?」
「それな」
「そんで1週間もしないうちにまた告りに来るんでしょ?誰かが」
「本当ありえない。相楽も寄ってくる男も」
言葉も視線も痛々しいけどそんなもの気にせず私は席に着いた。