人々が起きるには少し早い朝の午前5時30分頃。


この時間帯はチュンチュンと鳴く小鳥の声がよく聞こえる。



カーテンを開ければ少し控えめな日の光が差し込み、眩しさに目を細めながら1つ大きな欠伸をする。



盛大に欠伸をしながらいいことを思いついた私は、ケータイを手に取り゛ある人゛のラインを見つけるとこの前の仕返しと言わんばかりに「おはよう」「よく眠れた?」「起きろ」「コラ起きろ」と送ってやった。




1分後には「おはよう」「朝弱いのに今日は早起きなんだな」と返事が来た。



確かに天地がひっくり返るんじゃないか、いや…ひっくり返っても可笑しくないのだ。



それほどこんなに早く起きれる私は貴重なのだから。



お母さんが早起きをしている私を見たら、ビックリしすぎて顎が外れるんじゃないかってくらい口を開けそう。


なんでこんなに早く起きたか?

それは私自身もよく分からない。



言うなれば、体がこの時間に目覚めてしまった、ただそれだけ。



リビングに行くと思ったとおりお母さんは起きていなくて、今日は私の朝食でサプライズをしてやろうと企んだ。



そして朝食を作り終えた頃に起きてきたお母さんには「待ってアンタが起きてるとか!なんで!今何時!?」と予想通りの反応。



そう、顎が外れそうなくらいにね。



朝食を終え、着替えて学校に行く準備を終えると「いってきます」と言って家を出た。


「……い、いってらっしゃい」


お母さんは未だに信じられないと言うような声で私を送り出した。


「おはよう」


エントランスに出ると少し早いにも関わらず、誠人はすでにいた。