吸い込まれるように光の中へ入ると


──地面が消えてしまった。


「あ……」


そうだ。あっちの世界に行くには……


「きゃあああああああああ!!」


空から落下しないといけないんだった……!

どうしよう、どうしよう!


前は謎の光に包まれて無事だったけども、今回はどうなるかわからない。

もしかしたら、そのまま猛スピードで地面に直撃してしまうかもしれない。


「ぎゃああああ!!」


今回は絶望ではなく、ジェットコースターに乗ったあの疾走感を味わえる。

一回経験してしまえば、気持ちに余裕が生まれるのかもしれない。


約1ヶ月ぶりのトラオムを空から眺めながら、急降下をやめないわたしの身体。

だんだん地面に近づいてくると、ジェットコースターに乗った気分は消えていき、焦燥感が募っていく。