快の亡くなった父親が荒瀬組系列の闇金から金を借りていたこと。

連帯保証人が妻である快の母親になっていたこと。

額は数千万。

ここからは梟の推測だけど、到底払いきれる額ではないから、自分たちに保険金をかけて無理心中したんじゃないかって。

快を生かすために晴ちゃんが犠牲になったんじゃないかって。



ドラマでしか見た事のないような悲惨な展開に言葉が出なかった。

その一方で快が「もう俺に関わるな」と言った意味が分かった。

荒瀬組のせいで家族が死んだなら、私を憎んで当然だ。

忘れてた。

暴力団は裏切りが当たり前のこと。善人を簡単に死に追い詰めること。

いや、本当は分かってた。悪いところは見ないふりをしていた。



作り上げてきた偽物の幸せの形がガラガラと崩れ落ちて、それを聞いた日は一日中泣いた。

初めて自分の生まれた環境を憎いと思った。

大好きだった家族を初めて恨んだ。