それぞれの想いが絡み合ったまま、迎えたこの日。
 

なぜか超巨大なクモに追いかけられるという意味不明の悪夢にうなされたあたしは

最悪な気分で目を覚ました。


「おはよう」
 

台所でコーヒーを飲んでいるお母さんが、声をかけてくる。

見なれた朝。


「今日は学園祭でしょ?」

「うん」
 

パジャマのまま椅子に腰掛け、ぼんやりとテーブルクロスに視線を落とした。
 

学祭か。

とうとう来ちゃったんだな、この日が。

こないだまではすごく楽しみだったのに、今は憂鬱でたまらない。
 

あぁ……行きたくないなあ。


「お母さん。
 あたし、ちょっと熱が――」


「あっ、もうこんな時間!」
 

立ち上がったお母さんに遮られ、言葉を止める。