昨日の雨が嘘のように、空には鮮やかな青が広がっていた。
 

一時間目の授業が始まる前、Tシャツを返すために健吾を中庭に呼び出した。


「これ、ありがとうね」
 

洗濯ずみのTシャツの入った袋を差し出すあたしを、健吾はじっと見つめて言った。


「お前、クマできてるぞ。寝てねぇんだろ」
 

健吾の言葉に、さっと両手で目の下を隠すあたし。


「何かあったか?」

「ううん」
 

さりげない口調で気遣ってくれる健吾に、首を振った。
 

だけど本当は、図星。

昨日はほとんど眠れなかったんだ。