遺産を巡り
街中の住宅の地下で起きた刺殺事件は
とても大きなニュースとなり
しばらく世間を騒がせていた頃―――
点滴スタンドを引きながら病院の屋上に立ち
晴れ渡る青い空を眺めて風を感じていたのは、カトレア。
「本当に終わったんだ…」
呟いた声は風に運ばれ
空へと消えていく。
手に握るのは
金庫の鍵であり母親の形見であるネックレス。
父親はシオンによって絶命し
シオンも自ら命を絶って、この事件は幕を閉じた。
カトレアにとって
”家族”を皆、失ってしまった。
そして
1番大切な、彼も――――
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