★★★






「ここが私の店だと知ってのこと?…私も見くびられたもんだね?」



神威さんの剣を握る手から、金やら白やらの電光がパチパチと音を鳴らし、次第に増えていく。



「…へぇ?」



喉元の刃物に臆することなく、黒い翼の彼は体をピクリとも動かさずに視線だけを上げた。

彼女の顔を確認すると、またニヤリと笑う。

と、同時に、少しずつ風が上がる。

彼の体を取り巻くように徐々に出現したのは…あの、細かくて黒い羽毛だった。



この状況と電光に目を見張ると、彼女と目が合う。



「…逃げなさい!」



そう声を張られて、思わずガタッと席を立ってしまった。

というもの、神威さん発する二色の電光と、黒い翼の彼の細かい黒羽毛がぶつかり合うかのように次第に強くなっていく。

体が巻き込まれそうで、タダじゃ傍にはいられない状況。

そのため、神威さんの言葉の通り、身を守るためにその場を離れてしまった。



「イケメンにーちゃん、こっちだ!」