「すき......っ、」



────ぽろり、と溢れた言葉は


心のなかで呟いたつもりだったもので。



「(や、っちゃった.....っ)」


はっと口を押さえても、もう遅い。


おそるおそる顔を上げると、キョトン顔の────幼なじみのすがた


七和 浬(ななかわ かいり)、わたしの幼なじみ。


「なこ、」


「っごめんなさ....っ、」



....あぁ、やってしまった


伸ばされた手を振り払って、わたしは浬くんの部屋を飛び出したのだった。