【松原麗華side】
「ごめん、俺好きな子いる。」
…そう言われたのは朝。
ずっと好きだった相手に告白。
…勇気をだして告白してみたものの振られてしまった。
「…そっか、わかった。ごめんね。」
好きになった相手に振られるのなんて慣れてる。
大体私のこの性格が邪魔をしてしまうんだ。
…今日は仕事も休みだし呑みまくるか…
そんなことしたら確実に近いうちに病院送りになってしまうけど、今はどうしても呑みたい。
車を軽く走らせて近くのコンビニに向かう。
「おっ、麗華じゃないか。久しぶり。」
元々このコンビニでアルバイトをしていたから店員全てと顔見知りだ。
「お久しぶりですー。」
私はカゴを手に取ってお酒コーナーに向かう。
ぼんやり眺めて何となく目に付いたお酒を片っ端からカゴの中に放り込んでいく。
『振られちゃった。』
何となく報告したくなって将斗くんにLINEしておいた。
あの子の優しさに甘えてしまっている自分がいる。
「おい、お前買いすぎじゃねえか?」
「何よ。」
「なんだ?やけ酒か?」
私がこんなに買うことも珍しい。
つまみもお酒も大量に買い占めたら2万も使ってしまった。
「仕事は?」
「休み。」
「呑み付き合うぞ?」
「奢り?」
「ばか」
奢りじゃないならいい。
それに、1人で酔っ払いたい。
仕事のことも何もかも忘れて1人で。
コンビニの袋をぶら下げて家に入る。
…なんか疲れた。
何となく瓶も買ってしまったからグラスを手に取って自室に篭もる。
『大丈夫か?』
…うん、やっぱり優しいや。
『やけ酒してる』
『飲みすぎんなよ。』
んーと…
この会話してるだけで6缶開けてしまったよ。
『既に飲み過ぎの領域かもしれない。』
缶だけじゃ飽き足らず焼酎もテキーラも全て開けていく。
そして冷蔵庫の中に入っていた烏龍茶や水で割っていく。
ストレートに呑んでもいいけど何かで割って飲んだ方が飽きないから。
『大丈夫なのか?』
『呑みまくって忘れる。』
好きな人に振られることがこんなに悲しいんだ。
将斗くんだって好きな人に浮気されてしまったんだ。
私以上に辛いことだったであろう。
「…おぇっ…」
既に私の体には異変が現れてるけどそんなのお構い無し。
飲める分だけ飲んでやる。
『大丈夫だよー』
『絶対、気持ち悪くなってんだろ。』
何この子エスパー?
それともどこかで見てるの?
呑みたいって気持ちもあるし実際呑んでるけど既に体が着いていかなくなってる。