ここは魅惑のルーム。


放課後の保健室。



締め切った窓からは、校庭を走る運動部の掛け声がわずかに漏れ聞こえるだけ。

保健室の先生は、会議だとかで席を外している。



そんな空間で……


あたしは今、学年一の美少年、山路真一(ヤマジ・シンイチ)君と二人っきり……。



彼の横顔をしみじみ眺めてみる。


まるで陶器みたいにキメの整ったスベスベ肌。

あたしの片手で隠せてしまいそうな小さな顔。

黒目がちの大きな目はびっしりと生え揃った長い睫毛に縁取られていて、その瞳はいつも何かを憂いでいるかのように潤んでいる。

少し小ぶりだけどキレイに筋の通った鼻……。

柔らかそうな桜色の唇……。

色素の薄いサラサラの髪が窓から差し込む光を受けてさらに輝いて見える。



キラキラ……。

ああ、キラキラと。