頭を撫でられ、トクンと胸が高鳴った。

再会した時と同じ、ふわっとした優しい笑顔。


なんて美しい……って、なにドキドキしてるんだ!

あと少し、あと少し……!


あまりにも顔面が強すぎたため、出そうになっていた涙が引っ込んでしまった。

このまま上目遣いを続行することに。


よし! このまま一気に……!



「悩ませちゃってごめんね。もう頑張って泣こうとしなくていいから。早く元の顔に戻して?」

「っ……⁉」



急いで頭にある手を振り払った。

なんで? なんでバレてるの⁉
ボロは出てないし完璧だったはず……。



「涙声出してるわりには全然目が潤んでなかったよ? 明莉ちゃん」

「なっ……!」



また私をちゃん付けして……!



「いっ、いつから気づいてたの⁉」

「『私、そんなに強かった……?』ってところから」



嘘でしょ⁉ 最初から全部バレてたわけ⁉

いやぁぁぁ! 最悪ぅぅぅ!

いいぞいいぞ! って調子乗ってた自分が恥ずかしすぎる……!


唇を噛みしめて俯いていると、頭上からフハハッと笑う声が聞こえてきた。