ホッとしたような

 がっかりしたような

 説明できる自信がない感情のまま、
 自分のお家に帰った私。


 
 庭に、見慣れない車が。



「あ!!」


 私の人生がかかった、大事なこと

 なんで、今まで忘れていたんだろう。


 今日から私

 お母さんの彼と、お試し同居をするんだった!!



 
 私が小2の時に亡くなったお父さん。

 それ以来お母さんは、
 一人で私を育ててくれている。



 そんなお母さんは、
 数か月前、素敵な人に出会ったんだって。


 写真でしか見たことがないけれど、
 優しそうな人。



 本音を言うと、
 お父さん一筋でいて欲しかったな。


 でも、そんなワガママは言えないか。


 だって、最近のお母さん

 すっごく幸せそうに、笑うようになったから。




 今日から、お母さんの彼と小学生の男の子と、
 私の家でお試し同居を始めるんだ。

 本物の家族になれるかどうか、見極めるために。