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 次の日。

 本当に遊園地なんて、
 来て良かったのかな?


 不安に襲われながら
 私は今、
 遊園地の入り口に立っています。


 約束の30分前。
 早く、来すぎちゃった。
 


 宣言通り、
 一晩帰ってこなかった綺月君。

 明日華さんと一緒だったのかな?



 悪い方に考えちゃって。

 勝手に胸が、
 押しつぶされたように痛くなって。

 十字架のネックレスを、きつく握りしめる。




 ダメダメ。
 笑顔でいなきゃ。


 天音君とお姉さんたちが、
 私にメイクをしてくれたんだもん。


 紅色×黒の大人ワンピースまで、
 私にプレゼントしてくれたんだもん。


 天音君が、前髪を編み込みして。

 肩までの髪を
 ゆるく巻いてくれたんだもん。


 綺月君と遊園地で楽しく過ごせる魔法を、
 かけてあげるからって。