* * *


「で? だから俺を起こさないでサイレントに帰ったって?」


「……うぅ」


次の日の朝。

予想外すぎる展開に、私は正門前で肩をすぼめていた。


「どういうつもり?」


目の前には眉根を寄せて不機嫌な律くんが立っている。


お、おかしい……。

昨日は特に眠そうだったし、だからこそ保健室のベットで眠る律くんを起こさないことが優しさだ!って思った。

それは全て私なりに律くんのためを思って行動したはずだったのに……!

それが裏目に出てしまうなんて。


「律くんのこと振り回したくないもん……」


「は?」


「運も吸い取りたくないし。生霊になる予定ないけど……」


「……何の話だよ」