わたし綾瀬陽依(あやせ ひよな)の朝は、とっても早いです。


自分の身支度をささっとテキトーに終わらせて。


「ひよなー?朝ごはんは?」


玄関でローファーを履いてたらお母さんが声をかけてくれた。


「うーん、大丈夫!!」


寝てる時間とか、ごはんを食べてる時間なんかもったいなくて。


それよりも早く会いたくて話したい人がいるから。



「また瑞月くんの家に行くのかしら?」

「うんっ。だって早く会いたいもん!」


「もう〜。小夜ちゃんにあとでお礼言っておかないと。いつも陽依がお邪魔しちゃってごめんね〜って」


小夜(さよ)ちゃんっていうのは、お母さんの学生時代からの友達。


ちなみに、さっき名前が出てきた瑞月くんのお母さんでもある。


お母さんと小夜さんはものすごーく仲が良くて、大人になった今も仲良し。


仲が良すぎて、今なんて隣に家を建てて住んじゃうくらい。