理太 SIDE




……なんか、叫びたい気分。


心臓がちょっとうるさいせいかな。


『だって俺、大好きだからね。素直のこと』



平気な顔してよく言えた思う。


まぁ、好きすぎて言っちゃっただけで、他意はないんだけど、


それにしても、こんなに早い段階で告る予定なかった。


でもそれは素直が可愛いのが悪いんであって、俺のせいじゃない。



『生理的に無理なの!』



離れていた3年間で、世界でいちばん言っちゃいけない言葉で振っちゃうような、行儀のよくない素直に成長したみたいだけど。



別にいーけどね。
素直に振られることなんて、痛くも痒くもないし、むしろ楽しみって思っとく。



だって俺は、同居しつつ学校も一緒っていう、24時間分のおいしい時間をもってるからね。


ひねくれた素直を、前みたいにまっすぐに教育しなおしてあげるよ。



久しぶりに会ったクラスメイトに「はじめまして」とか言ってきたり、「学校であたしに話しかけないで!」とか言ってくるような子には、育ててやんないから。



中身はまあ、ひねくれたけど、見た目はほとんどあの頃のままの素直だ。


栗色のふわりとウェーブした柔らかな髪を長く伸ばして。


くりんとした大きな目は愛嬌たっぷりで。


白い肌、赤い頬。童顔なのにがんばろうとしてる薄いメイク。



うん。俺の好みのまま。