一度ミキサーにかけた具材は、どろどろにとろけてスープに変身した。

以前、高齢の祖母が今年も送ってくれていた野菜を消費しようと一度作ったら、遼雅さんが大絶賛してぺろりと食べてしまったものだ。

結婚生活を始めてすでに三か月が経ってしまった。

遼雅さんは相変わらず紳士で、あまやかしのプロだと思う。プロポーズされたところから、ぶれることなくそう思い続けているから、遼雅さんは自分自身を隠したりしない人なのだと思える。

こんなにも愛情表現が過剰で、どうやって不安になるのだろうか。


「やっぱり、お顔が綺麗だから……?」

「どうしたの?」

「きゃっ」


スープにかけていた火を止めて、そのまま考え込んでしまっていたらしい。後ろから声をかけてきた人は、今まさに私の頭の中で笑ってくれていた人だ。

想像とまったく変わらないあまい微笑みで、私のことを覗き込んでいる。


「ごめんなさい、お帰りになったの、気づかなくて……」

「うん、何か考え込んでいたようだから、後ろから声をかけてしまいました。ごめんね。驚かせたね」

「いえ……」


コートを着たまま立っているから、帰ってきてすぐに探しに来てくれたのだろう。そこまで思い至って、はたと気づく。