次の日の夜。



「次の流れ星が流れたら、僕は願い事をしようと思う。」


高校生のヒカルはそう言った。


「じゃあ、私も願い事しようかな!」


ヒカルの友人、マイが返事を返す。


そう、今この2人は、2人が通う高校の裏にある丘で、無数の光が見える夜空を座って眺めていた。



ーーーーーーキラッ



「!」

2人は瞬く流れ星を見つめながら、それぞれ願い事を頭の中で唱える。




「ねえ、ヒカル!ヒカルはどんな願い事をしたの?」


「マイは?」


「私は、これからの高校生活も楽しくなりますように…かな!」


「そっか。僕は、ずっとマイを見守れますようにかな。」


「ありがとう!せっかくの流れ星なのに、私のこと願ってくれて!」


「そんなの当たり前じゃん!そろそろ夜も遅くなるし、行こうか。」


「うん!」




そう言って2人は、立ち上がる。
ふと、爽やかな風が吹く。
丘に立つ2人のスカートが優しく揺れる。




マイが先に帰ろうと歩き始めた。


「マイ!」


「なーに?」



マイが振り向くと、そこにはもう誰もいない。



「ヒカル、ありがとう。」


そう言って、マイは家族の待つ家に帰っていった。


自転車を漕ぎながらマイは思う。


(昨日の夜も、流れ星を見にいって本当に良かった。)




マイの本当の願い事は、『ヒカルに会えますように』