『和倉さん、和倉雅妃さん』


『はい』


眼科で名前を呼ばれ、いろいろ検査をした。


視力、だいぶ落ちてる…


そして、いよいよ、コンタクトを入れる練習。


私は勧められたまま、1dayタイプのソフトレンズにした。


ちょっと怖い。


こんなこと、毎日出来るのかな?


恐る恐るだけど、苦労してやっと入った。


うわ…


入れた瞬間、嘘みたいに視界が開けた…


なんだろう…


ちょっと、世界が広く見えるような…


変な感覚。


私は、ドキドキしながら、自分の顔を鏡で見てみた…


え?


これ、私?


全然違う人みたい…


不思議だな…


確かに美人でも可愛くもないけど、ほんのちょっとだけ、顔が明るく見える。


恥ずかしいし、まだまだ慣れないけど、亜希斗さんがせっかく言ってくれたんだから…


コンタクト、頑張ってみよう。


って、頑張るものでもないか…


うん、でも…


私の知らない新しい世界が、ちょっとは見えるようになればいいな…