『せっかく高校に近かったのになぁ~』


そう言いながら、荷物を片付けてる櫻。


『ごめんね~』


『ねえ、お姉ちゃん』


『何?』


『お姉ちゃんって、漣 亜希斗と結婚するの?』


『えー!な、何を言うの、そんなはずないじゃない!亜希斗さんは、大、大、大スターなんだから。私みたいな女と結婚する訳ないよ』


あはは…


また、ムキになってしまった。


『でも、その大スターと一緒に住むんでしょ?お姉ちゃんにも、やっと春が来たんだね~』


『だから、違うんだって。送り迎えが大変だからって、気遣ってくれただけだし。それに、家事とか雑用とかいろいろやらなきゃダメだろうし、亜希斗さんは、私をお手伝いさんか何かだと思ってるんだよ、きっと』


本当に…そうかも知れない。


私がいれば頑張れるなんて上手いこと言って…


お手伝いさん代わりに、こき使うつもりなのかも。