目的地に到着するまで、本当に散々だった。

 私が無視を決めても反応するまで話しかけてくるし、お菓子が食べたいとねだってきた。


 お菓子をあげて大人しくなるのかと思いきや、一緒に食べようと誘ってきたり、お菓子を食べた後は眠たいから抱き枕になってとか、とにかく自由人なのだ。


「はぁぁ……」
「ほら、今からこの行事のメインだよ汐音」

「わかってるけど……また霧谷と同じなんて憂鬱すぎる!」


 せっかくバスを降りて解放されたと思ったけれど、この後すぐの飯盒炊爨で私は霧谷とペアを組まされていた。

 本当に今日はツイていない。どれだけ霧谷と二人にされるのだろう。


 それに油断していたら、霧谷は手を出そうとするため、最新の注意を払わなければならない。