がっ君が眠りについたのを確認して、わたしはその場から立ち上がった。
リビングにあった紙とシャープペンを借り、文字を走らせる。
『食べれそうなら、食べてね』
紙の上にコップを乗せて、おかゆの入った鍋の隣に置く。
さぁ…
ーーー帰ろう。
もう一度、がっ君の眠る部屋に戻って、気持ちよさそうに眠る寝顔を見つめた。
がっ君…。
わたしの誕生日まで、数分だ。
家に帰って、お母さんに電話する。
そして、わたしの口から話そう。
「がっ君…」
結局…最後までがっ君の目的は、わからなかったね。
また、学校で会おうね。
今度会うときは、わたしたちはただの幼なじみ。
部屋を見渡して、くすっと笑う。
無理矢理ここに連れて来られたのに…ここでの二週間は、今思えばとても幸せな日々だった。