ケータイ小説 野いちご

惚れたら最後。

Epilogue




「夢、ただいま」



今日も、玄関に飾っている夢の写真に挨拶をする。

写真立てに入った夢のいたずらっぽい笑顔は少し色あせて、年月を感じさせる。

絆と出会ってから4年が過ぎていた。





「……あれ?絆の靴がある」



平日の昼下がり。流星と星奈はまだ学校だ。

卒業を控えていた私は講義がなく、早めに帰って夕食の準備をするつもりだった。

しかし、仕事のはずの絆の靴が一足出ていたので気になってリビングに足を運んだ。



「おかえり、琥珀」

「ただいま……絆どうしたの、仕事って言ってなかった?」

「琥珀に会いたくて早く切り上げてきた」



綺麗な笑顔に胸が高鳴る。

23歳になった絆はいちいち心臓に悪い男だった。

出会った頃は19歳。

でも19歳の少年と、23歳の男じゃ顔のつくりも体型も違う。

あどけなさがなくなった絆は惚れ惚れするほどかっこいい。

年々かっこよくなるから、未だに免疫がつかないのが最近の悩みの種だ。

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